ちいさいころに読み始めたシリーズがいまだに続いているなんてなかなかないですよね。
そう思うと早いうちから触れることができてラッキーだったなとも思います。
挿絵も「サモンナイト」シリーズなどを手掛ける黒星紅白(飯塚武史)さんでこれもまた良い。
小説が21巻を刊行するいま、やっとコミカライズが開始して10月7日に第2巻が発売された「キノの旅」、読まない手はないですね。

作品名キノの旅
原作時雨沢恵一
キャラクターデザイン黒星紅白
作画シオミヤイルカ
掲載誌少年マガジンエッジ
あらすじ
「ひとつの国に滞在するのは三日間だけ」というルールで様々な国を訪れる旅人キノと二輪車で相棒のエルメス。キノたちが訪れる国は個性豊な人たちが暮らし、キノと様々な形で出会い、そして別れていく――
感想
キノの旅、1巻なんてもう何度読んだことか・・・とはいえ最後に呼んだのもいつだったか・・・
でもこのコミックスを読んだとき、ああ、こんな話もあった!と思い出すことばかりでした(笑)
あえて小説をコミカライズすることで偶像化というかイメージの上書きをされてしまうので、今まで自分の脳内だけで想像していたものたちとのすり合わせとか、自分に納得させるような感じは少しありましたが。
特にキノ(最初のほう)。ちょっと想像よりキレイでもっと旅して薄汚れている感じを想像していました(笑)
それと、1話にはモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)の定型文というか、お約束が書いてあったのは安心しました。きっとパースエイダーと誰かがセリフで行ってくれた時にもきちんとパースエイダー(注・パースエイダーは銃器。この場合は拳銃)と書いてくれることでしょう・・・!
コミック第1巻は小説1巻に収録された3つの国
プロローグ・エピローグの「森の中で.a/b」も入っています。
多少ネタバレを含むので未読の方は読み飛ばしてください。
大人の国
第1話は「大人の国」。個人的にはいきなりこの話持ってきちゃうか~と思いました。
キノがキノになる話なのですが、中性的なイラストから読者の想像の余地を残していたのにいきなりネタバレ的な話を1話にもってきてしまって・・・まあコミック買うのはほとんど小説を読んだ人ばかりかとは思いますが・・・
しかし手術で大人になれるなんて、この国の住人になりたいなんて人もいそうです。いないか。
人の痛みがわかる国
科学が発展しているこの国では薬によって互いの思念を伝えられるようになって・・・という話。
自分の伝えたいことだけを伝えられる言葉のほうが却って都合がよかった。
自分も結構言おうとしたことを言わなくてもいいかと飲み込んでしまうタイプで、ツイッターですらつぶやかなくてもいいかと思ってしまいます。
曲解や誤解をされてしまう、そういうことも含めてコミュニケーションというやつなんですよね。
というような気付きを得られる話で、この話もよく覚えています。小説だとこの話の前になんでも多数決で決める多数決の国があってなかなかハードな話だったのでその対比で記憶に残っていました。
レールの上の3人の男
キノの旅はちょっとした慣習や思想などをシニカルな視点でおもしろい話にしているところがあるので、そういう意味ではこの話は童話っぽい雰囲気があります。
3人の男がそれぞれの事情があってレールを磨き、外し、敷いていく。それを50年も続けているという無限ループって怖くね?という話。
男たちは3人とも同じスピードで作業をし、自給自足もしてるんですかね。現実的なことは言いっこなしって感じですが(笑)
なんて平和な話なのでしょう。
まとめ
コミカライズにしてはとても丁寧に描かれているので原作ファンとしても嬉しいです。
キャラクターはもちろん、描くのが大変であろうエルメスもきちんと毎回描かれているのがいいですね。
2巻は冒頭でも述べましたが10月7日に発売されたばかりなので既刊2巻です!揃えやすい!(笑)
ちなみに2巻の収録は「砂漠の真ん中で.b」「多数決の国」「平和な国」「砂漠の真ん中で.a」。なかなかハードな話が多いですね。
未だに何の国と言われてパッとストーリーが思い出せるのは我ながらすごい・・・いや原作の時雨沢恵一さんすごいですね。
アニメも今週の金曜日、10月6日よりスタートします。これは見るっきゃない。
推し漫画の「少女終末旅行」のアニメも同日放送なので立て続けに見ましょう!
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